春の訪れを告げるもの
2月は暖かい日が続いていましたが、3月に入りすっかり冬に戻ってしまいましたね。桜前線の北上も例年より早まるという話もここ最近の寒さでだいぶ遅れているようですね。ただ、少しずつ南の方から春の兆しは見えて来ているような気がします。
温暖化の影響で、季節の移り変わりが見えなくなってきていますが、四季の中でも春はやっぱり特別な季節で、北国に住む者にはとっては待ち遠しい季節です。八戸こそ雪はそれほどでもないですが、冬の間真っ白な雪にすべて覆われてしまう豪雪地帯ならその待ち遠しさはなおさらですよね。その待ち遠しい春の訪れを告げてくれるものとして、日本には春告◯というものがたくさんあるんですよね。
春告鳥、春告草、春告魚…皆さんはいくつご存知ですか?
春告鳥というのはウグイスの別名で、春が近づくと他の鳥に先駆けてさえずりを始めます。もう少し小柄な緑色の鳥、メジロも良く見かけますが、メジロもかわいいですよね、桜の花にとってはあのきれいな花を突いては落とす天敵かもしれませんが(笑)
春告魚、これは以前から春になると産卵のために浅瀬に押し寄せるニシンやメバルがそう呼ばれて来ました。ニシンは海水温度の低い北日本で、メバルは東日本、西日本で主に春を告げる魚として親しまれて来ました。メバルは淡白な脂肪分の少ないお魚なんですが、栄養価が高く、ビタミンB1、B2、ビタミンEなどを含んでいて抗酸化作用、動脈予防等にもいいようです。また、女性には有り難いカルシウムやリン等も含んでいるようで、有り難い食材ですね。
春を告げるものとしては、昔から花や草にもあります。春告草、これは梅の花の別名としてよく使われますね。梅の花がまだまだ寒い中で蕾をつけて、少しずつその蕾が膨らんでいる姿はまさに春の訪れが近いことを期待させてくれます。
また、梅の花は、春告草以外にもたくさんの呼び名があるお花です。匂い草、風待草、花の兄等…これらはすべて梅の花の別の呼び名なんです…花の兄というのも変わった呼び名ですが、これはすべての花に先駆けて花を咲かせることからそう呼ばれるそうです。
春を告げるものが色々とあるのはやっぱり皆さんが春が来るのを心待ちにしているからですね。出会いと別れの季節でもある春はもう目の前まで来ています。皆さんも春の訪れを教えてくれる花や草、そして食卓に並ぶお料理を通じて春の訪れを是非楽しんでくださいね。