人手不足のその先

 

あっという間に3月ですね。短かった2月のはずなのに、自然が猛威を振るうニュースがほんと多かったような…。最強寒波による大雪被害や雪おろしに苦しむニュースが多かった一方、太平洋側では乾燥した強風により山火事がかつてない規模で広がっているニュースが続いています。これだけの山火事が日本で起こるとは私は全く想像できていませんでした。少しでも雨が降って欲しいですし、今はただただ一刻も早い鎮火を祈るばかりです。

自然災害とは違いますが、自分たちだけではどうにもならないことが世の中にはたくさんあります。円安による物価高というのもほんと悩ましい問題で、日々の暮らしへのインパクトは相当大きい話です。当然、飲食業を営む立場でも食材の高騰はほんと悩ましく、お客様の立場に立つと、ご提供するお料理の値上げ問題との間でいつも揺れ動いています。食材の高騰だけならまだいいのですが、人手不足というのもなかなか強烈で、人手不足でお客様はいるのに、対策を間違うと倒産の危機…という状況は日本のあちこちで見られてますよね。
飲食店だけではなく、一度に大量の食事を提供する病院とか介護施設なども料理を作る人の人手不足問題は深刻なようです。

ところで、皆さんは「クックチル」とか「ニュークックチル」とかという言葉はお聞きになったことはありますか?いずれも新しい料理の方法なんですが、一旦調理を終えた料理を冷却して保存しておき、食事を提供する直前に再度加熱する方法を「クックチル」と言います。ただ、お料理の盛り付けについては、加熱後に行うため、この方法は、同時にお料理を大量に提供する必要がある場合には盛り付けに少し時間がかかってしまうという課題がありました。最近は、その点の見直しがされて、「ニュークックチル」という方法が増えてきているようです。
方法は「クックチル」と同じで、急速に冷凍するところは同じなんですが、盛り付けをした状態で冷凍することから、加熱後にすぐお料理を提供できる、また、さらに、再加熱後に盛り付け等で人の手が入らない、という特徴があって安全面でも優れた方法と言われています。病院や介護施設などは、どうしてもケアをする人手が優先されるので、このお料理の分野の進化は喜ばしいことですね。
コロナの時に人と会うことが出来なかったためにテレビ会議が一気に進化したように、お料理の現場での人手不足ももしかしたら、お料理自体やお料理の方法、もっと色々なところで進化を起こしてくれるのかもしれませんね。人間の知恵ってやっぱりすごいです!